お婿さんに会社を継がせたい!娘婿を後継者にするならば事業承継税制を活用しよう!

お婿さんに会社を継がせたい!娘婿を後継者にするならば事業承継税制を活用しよう!







娘のお婿さんが事業を引き継ぐという親族内承継の場合、対策をしっかりと行わないと後継者としてお婿さんが経営に専念できない可能性が出てきてしまいます。

お婿さんを後継者にする際に注意すべき点と事業承継税制の活用についてご紹介します。

1.事業承継は「実務」と「株式」の承継が必要

会社を後継者に引き渡す事業承継は、「引退するので、〇〇に会社を譲ります」と宣言すれば引き継げるという訳ではありません。

事業承継は会社経営の実務となる部分の引継ぎと同時に、株式の引継ぎも必要です。

そして、この株式は先代経営者の資産です。そのため、引き継ぐ後継者は譲渡あるいは贈与、相続(遺贈)によって取得することになります。

つまり、譲渡であれば買取るための資金が必要となり、贈与や相続(遺贈)であれば、贈与税や相続税の課税対象となるという事です。

また、相続(遺贈)の場合には、後継者の他に相続人がいる場合、株式が分散してしまう可能性も考えられます。

株式が分散してしまうと、後継者が社長として経営を仕切ることが難しくなってしまうのです。こういった課題に対して事前にしっかりと準備をしておく必要があります。

2.娘婿に株式を譲渡する場合の注意点

(1)経営者の生前に娘婿が株式を取得する場合

親族内承継では経営者が生きている内に自社株式を後継者に贈与する生前贈与という方法を選択する場合があります。

後継者がご自身のお子さん(1親等の血族)であれば、暦年贈与ならば110万円(年間)まで、相続時精算課税制度ならば最大2,500万円まで贈与税が課税されずに贈与を行うことが出来ます。しかし、娘婿は親族(1親等の血族)ではありますが、直系ではありませんので上記のような贈与の基礎控除や特例の適用をうけることが出来ません。

そのため、贈与によって取得した財産には贈与税が課税されることになり、譲渡によって株式を取得するためには株式を取得するための資金が必要となります。

(2)遺言によって娘婿に株式を取得させる場合

遺言を書いて娘婿に株式を取得させるという方法もあります。しかし、遺贈によって取得した財産も相続税の課税対象となります。また、法定相続人ではない娘婿が遺贈によって財産を取得した場合、相続税の2割加算の対象となります。買取るための資金を準備する必要はありませんが、相続税の納税資金の準備は必要となります。

また、他に相続人がいる場合、遺留分の問題なども考慮しなければなりません。

もし、経営者の方が自社株式以外に資産を保有していなかった場合には、後継者にすべての株式を取得させることが難しくなってしまいます。

【相続時精算課税制度が親族外承継でも利用できるようになる可能性がある!?】

現段階では相続時精算課税制度の適用は直系卑属が対象となっていますが、平成30年度中小企業・小規模事業者関係の税制改正では、相続時精算課税制度の適用範囲が拡大が創設されています。

適用時期等の正確な発表はまだされておりませんが、改正が適用された場合、事業承継税制の適用を受けることで、60歳以上の贈与者から20歳以上の後継者への贈与が子や孫でない場合でも

相続時精算課税制度を利用することが出来ます。つまり、娘婿が後継者となった場合でも相続時精算課税制度の利用が可能となるわけです!!

適用時期など、今後の発表に注目していきたいと思います。

3.娘婿を後継者とする場合には様々な制度を活用しよう!

上記でご説明したように、娘婿を後継者とする場合には注意点に対する対策をしっかりと検討しておく必要があります。

中小企業や小規模事業者の事業承継は日本経済にとって、とても重要な課題となっています。事業承継が円滑に進まないことにより中小企業や小規模事業者が廃業に追い込まれてしまうと経済や雇用といった問題に直結してしまいます。そのため、国が中心となり事業承継に活用できる様々な制度を用意しています。

(1)株式を取得するための資金調達「金融支援」

事業承継を円滑に行うための金融支援措置として、事業承継のための株式の取得や株式取得によって課税される納税資金等を「日本政策金融公庫」や「沖縄振興開発金融公庫」から一定の要件を満たしている場合、低金利で融資を受けることが出来ます。

金融支援を受ける場合には、経営承継円滑化法に基づき、経済産業大臣の認定を受ける必要があります。

日本政策金融公庫の「事業承継・集約・活性化支援資金」についての詳細については、

下記サイトに詳しく記載されています。

事業承継のための資金の融資制度「事業承継・集約・活性化支援資金」を活用しよう/資金調達ノート

(2)遺留分でもめないために「遺留分に関する民法の特例」

娘婿に遺言によって株式を取得させようと考えていても、相続人には遺留分という最低限取得できる財産の取り分が決まっています。他の相続人の遺留分を侵害することになる場合には、株式が分散してしまう可能性が充分に考えられます。

そのため、予め株式を遺留分の対象にならない財産とする特例が経営承継円滑化法の遺留分に関する民法の特例です。

遺留分に関する民法の特例を活用すると、後継者を含め、経営者の推定相続人全員の合意を得た上で、後継者が取得する株式を遺留分の算定基礎財産から除外(除外合意)または遺留分の算定基礎財産に算入する価額を合意時の時価に固定(固定合意)することが出来ます。

民法の特例の適用を受けるためには、経済産業大臣と家庭裁判所の許可が必要です。

民法の特例の詳細に関しては中小企業庁のマニュアルをご確認ください。

中小企業庁「事業承継を円滑に行うための遺留分に関する民法の特例(PDF)」

(3)娘婿の相続税の対策ならば「事業承継税制」を活用!

事業承継税制とは「非上場株式等についての相続税猶予及び免除の特例」と「非常所株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例」の総称です。

通常の相続税や贈与税の特例は、配偶者や法定相続人、つまり血族が対象となるため、1親等の姻族に該当する娘婿に適用される特例等はありません。

しかし、事業承継税制は「親族」であれば特例の適用を受けることが出来る可能性があるため、娘婿の相続税対策として活用することが出来ます。

この特例の適用を受けることが出来ると、娘婿が贈与や遺贈によって取得した非上場株式にかかる相続税の80%や贈与税の全額の納税が一定期間猶予されます。

さらに、事業承継税制は平成30年の税制改正で要件の見直しが予想されています。

大網通りに税制の改正が行われると、相続税の対象が100%に拡充されるため、相続税・贈与税どちらも全額の納税が一定期間猶予されることになります。

細かな要件に関してもかなり緩和されており、使いやすい制度に進化しています。

ただし、事業承継税制の適用を受ける場合には、と都道府県知事の円滑化認定を受ける必要があります。また、後継者・経営者にそれぞれ要件がありますので注意してください。

事業承継税制についての詳細は下記に記載しています。

事業承継に関わる贈与税や相続税が免除になるの?事業承継税制って何?

まとめ

事業承継の課題の一つは「後継者」と言われています。お婿さんなど事業を引き継いでくれる後継者がいる場合には、その後継者が会社経営にしっかりと専念できるように、事業承継のための準備や対策をしっかりと取るようにしましょう。

事業承継に悩んだ場合には事業承継に精通した専門家のアドバイスを受けるようにしましょう。

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