相続税が払えない場合の3つの対処法とは? 

相続税が払えない場合の3つの対処法とは? 

もしあなたが遺産を相続した場合、相続税を支払うことはできますか?

相続した財産にお金がなければ、相続税を払えない状況になるでしょう。
もし相続税を払えない場合どうすればよいかご存知でしょうか?今回の記事では、相続税を払えない場合の対処法をご紹介致します。

1.相続税を払えない場合の対処法とは?

相続税が払えない場合の3つの対処法とは? 

相続税の納税方法は原則、金銭一括納付です。相続開始から10ヶ月以内に相続税の申告・納付が必要です。しかし、現金一括納付が困難な場合には、特例として「延納」や例外として「物納」が認められるケースもあります。

相続税を収めることが出来ないという場合、「延納」や「物納」による納付、または「不動産の売却」などを検討する必要があります。

延納や物納は、金銭一括納付が困難な場合、延納による納税が認められるケースがあり、延納も困難な場合には物納が認められるという段階的な措置です。延納を選択すると利子税が発生するなど、本来納めるべき税額の他にも税金を収める必要があります。

そのため、相続によって取得した不動産を売却して相続税を収めるという方法を選択される方も増えています。

延納、物納、不動産の売却のそれぞれを詳しくご紹介します。

2.延納とは?

相続税が払えない場合の3つの対処法とは? 

(1)延納制度の概要

相続税は金銭一括で納付することが原則です。しかし、一括納付が困難な理由がある場合には、延納申請書などの必要書類を納期限までに税務署長に提出します。
それが認められた場合、最長20年間で分割して支払うことが可能となります。
ただし、この制度を利用するには一定の要件を満たす必要があります。

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(2)延納のメリットとは?

メリットは、一括で多額の相続税を払わずに分割で相続税を納付することができます。また、相続税の申告期限から10年以内であれば、物納へ変更(特定物納)することも可能です。

相続税が払えない場合の3つの対処法とは? 

(3)延納のデメリットとは?

デメリットは、延納期間中は延納税額に利子税がかかります。

延納についての詳細は、

相続税が一括で払えない!そんな時には延納申請を!

こちらをご参照ください。

3.物納制度とは?

(1)物納制度の概要

相続税は期限内(相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内)に金銭で一括納付が原則です。しかし、現金で一括払いすることが難しい場合、一定の条件を満たすことで、上記でご説明した延納が認められています。

しかし、延納も難しいという場合には、金銭に変わり物で相続税を収める「物納」という方法が認められています。もちろん、なんでも物納できるという訳ではありません。法改正などにより、物納できる財産は以下のようになっています。

相続税が払えない場合の3つの対処法とは? 

(2)物納のメリットとは?

物を他人に譲渡した場合には、譲渡所得税が発生するのが原則です。しかし、物納をして、国に物を譲渡した場合には、物納許可限度額までは譲渡所得税は非課税になります。

【注意点】

物納許可限度額を超えて物納を行った場合に、超えた部分が金銭で還付されます。還付された金額については、譲渡所得税の対象になるので注意しましょう。

(3)物納のデメリット

相続税が払えない場合の3つの対処法とは? 

 物納が許可されるまで利子税が発生します。物納する財産の評価は、相続税評価額による算出となるため、時価よりも低い評価となります。

また、物納の申請手続きは少し難しいという点もデメリットとなります。

物納の詳しい詳細は、相続税の支払いは現金ではなく物納ですべき場合も存在する?

こちらをご覧ください。

4、不動産を売却して納税する方法のメリット・デメリット

【メリットは?】

(1)取得費加算の特例が利用可能

相続により取得した相続財産を、相続発生後から相続税の申告期限の翌日以降3年以内(3年10ヶ月以内)に譲渡した場合には、 『相続税の取得費加算の特例』を利用することができます。
この特例を利用することで、所得税や住民税を減額することが可能です。

① 譲渡所得の考え方

相続税を支払うために、不動産を売却した売却益がある場合、所得税や住民税が発生してしまいます。

相続税が払えない場合の3つの対処法とは? 

売却代金は、売ったときの金額です。

取得費とは、取得した時の金額とお考え下さい。かなり細かいので割愛してご説明しましたが、詳細は、

取得費となるもの[国税庁HP]

こちらをご参照ください。

譲渡費用とは、仲介手数料などの譲渡するために必要な費用です。

②取得費加算の特例とは?

通常の不動産の譲渡所得は、上記①の算式で計算します。

しかし、上記(1)で説明した、取得費加算の特例を利用できる場合には、

上記①の算式からさらに「取得費加算額」を引くことができます。

いくらが減額できるのかは算式が難しいた割愛しますが、この特例を利用することで、税金を安くすることができます。

詳細は、

相続財産を譲渡した場合の取得費の特例[国税庁HP]

こちらでご確認ください。

【デメリットとは?】

(1)不動産を売却して納税する場合、所得税がかかる?

不動産を売却した場合、譲渡所得が発生します。そのため、所得税、住民税を合計すると最低でも20%以上の税金が発生します。
(マイホームの場合には、税金が軽減されます。)

長期譲渡所得の税額の計算[国税庁HP]

マイホームを売ったときの軽減税率の特例[国税庁HP]

上記税務署HP参照

(2)10ヶ月以内に売却しなければならない

 相続税は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に納付しなければなりません。
そのため、相続税を支払うために、不動産売却して納税することを決めた場合には、10ヶ月以内不動産を売却しなければなりません。

5.一番ベストな方法は結局どの方法なのか?

実務上よく比較されるのが、『物納』と『不動産を売却して納付』です。結局どちらが有利なのでしょうか?

結論としては、ケースバイケースということです!

なぜケースによって結論が変わるのか?

物納する場合、その財産の相続税評価額分で納税したことになります。ここで注意しなければならないのが「時価=相続税評価額」ではないという点です。

事例でご説明致します。

物納に供する土地の時価が1億円だったとします。

上記の土地の相続税評価額が5,000万円とします。

この場合、時価1億円の土地であっても物納すると、相続税評価額が5,000万円であるため、相続税の支払額は5,000万円となります。

また、小規模宅地等の特例の適用を受けた相続財産を物納する場合の価額は、特例適用後の価額となります。

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よって、1億円の土地であっても小規模宅地等の特例を利用した結果評価額が2,000万円になることがあります。この資産を物納した場合には、1億円の価値があるにもかかわらず2,000万円を納めたことになってしまいます。

つまり、小規模宅地の特例を利用している場合と、利用していない場合で、どっち納付方法がベストなのか選択が変わるでしょう。

また不動産の相続税評価額は、他人に貸しているか否かで評価額が20%以上異なる場合もありますので、それによってもどちらの納付方法が安くすむかは計算してみるまではわからないでしょう。

つまり、物納すべきか、売却して相続税を納付するかは、厳密に計算してみなければわからないということです。どちらが得なのかは、相続専門の税理士に計算してもらうことをオススメしております。

まとめ

相続税を払えないという方は、是非一度相続税専門の税理士に相談するとよいでしょう。納付方法が変わるだけで、大きく得する可能性もありますよ。

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