不動産購入での相続対策、節税効果大な理由とメリット4つ

不動産購入での相続対策、節税効果大な理由とメリット4つ
平成27年に、相続税の基礎控除が40%減少し、増税となりました。この増税の影響で、相続税の対象となる人や、今まで以上に相続税を納めなければならない人が出てきています。そのため、少しでも節税したいと不動産を利用する人が増えております。今回は、不動産を利用する相続税対策方法を解説します。

1: 現金と不動産、相続財産として残すならどちら?

現金1億円を所有している人が亡くなって相続が発生した場合、以下の2つのケースでは相続税にどれだけの違いが出るでしょうか。不動産購入での相続対策、節税効果大な理由とメリット4つ 現金の価値はそのまま、1億円です。そのため、相続税が課税される対象は1億円ですね。しかし、現金1億円で取得した不動産の価値は1億円ではありません。不動産価値の評価軸は、時価や路線価、固定資産税評価額など複数あります。相続によって取得した不動産は「相続税評価額」によって評価されます。ここでポイントとなるのが、不動産の相続税評価額は、現金で持っているときよりも約3割価値が下がるという点です。不動産購入での相続対策、節税効果大な理由とメリット4つ つまり、前述の「現金1億円で貸家を取得し、その後亡くなった場合」の相続税評価額はなんと、7,000万円(1億円×(1-30%))となります(※1億円の貸家は100%賃貸物件として使用していることが前提)。現金1億円をそのまま相続するよりも、1億円で購入した貸家を相続したほうが、相続税の課税対象となる相続税評価額が3,000万円少なくなります。

不動産購入での相続対策、節税効果大な理由とメリット4つ

ただし、全く収益性がない不動産を購入しても毎年赤字が続き、意味がありません。収益性が高い不動産を購入することで、相続税の節税になり、将来の固定収益も獲得できることから一石二鳥になるでしょう。この節税スキームを成功させるポイントは2つです。

1つは「不動産を購入する際に『貸す』目的で購入していること」。2つ目は「収益性が少しでも高い不動産を購入すること」です。

不動産購入での相続対策、節税効果大な理由とメリット4つ
 

2: 相続税対策で不動産を利用するメリット4つ

ここからはさらに、相続対策として不動産を利用するメリットを解説します。

メリット1: 土地の評価額が約2割減少

貸家建付地(賃貸用の建物を建てて、他人に貸している場合の土地)は、約2割評価額が下がります。しかし、そもそもなぜ賃貸マンションを建築するだけで土地の価値が下がるのでしょうか。貸家が建てられている土地の評価額は次の算式で求めます。不動産購入での相続対策、節税効果大な理由とメリット4つ

借地権割合は60~70%(地域によって異なる)、借家権割合は全国一律30%です。よって、上記の算式に当てはめると、借地権割合に借家権割合を掛けた分だけ評価が下がることとなります。

  例: 更地(土地)の評価額1億円

   ①貸家は建てない→土地の評価額は1億円

   ②貸家を建てる→土地の評価額は、借地権割合60%で18%、借地権割合70%で21%ダウン。

《借地権割合60%の場合》

    1億円×(1-60%×30%)=8,200万円

    土地の評価額が18%ダウン

《借地権割合70%の場合》

    1億円×(1-70%×30%)=7,900万円

    土地の評価額が21%ダウン

※借地権割合は地域によって60%もしくは70%となる

よって、貸家を建てるだけで、約2割も土地の評価額を下げることができるのです。不動産購入での相続対策、節税効果大な理由とメリット4つ

メリット2: 小規模宅地等の優遇で評価額50%減

小規模宅地等の優遇措置(宅地等の評価額を引き下げる特例)で評価額が50%減となります。不動産を購入した際の敷地(貸付土地)は、事業用の土地として200㎡で50%減額が受けられる可能性があります。ただし、小規模宅地等の優遇措置は、基本的には遺産の中で最も有利な土地から適用します。仮に、事業用の土地以外に、他の土地(自宅等)があれば330㎡まで80%減額することが可能です。
従って、他に有利な土地(居住用の土地など)がないときにメリットがあります。つまり、居住用の土地を保有している場合には、居住用の土地の評価額が80%評価減。居住用の土地を保有していない場合に貸付土地がある場合には、貸付土地の評価額が50%評価減します。

※小規模宅地の特例についての詳細記事→「最大80%評価減を実現させる「小規模宅地等の特例」とは?

例: 一番得するケース

下記のように、更地1億円分(200㎡)を保有していて、その他に土地を保有していないケースで、更地に貸付不動産を立てた場合は、借地権割合70%の場合で土地の評価額は7,900万円となり、さらに小規模宅地等の特例適用を受けると3,950万円となります。不動産購入での相続対策、節税効果大な理由とメリット4つ

①と②で、評価額が6,050万円変わります。メリット1とメリット2を両方利用することで、60%以上相続税の評価額を引き下げることができます。

空き地(更地)は、被相続人(相続財産を遺して亡くなった方)の事業又は居住用の土地とはいえないため、小規模宅地等の優遇措置(土地の評価額を下落させる特例)を選択することができません。つまり、小規模宅地の特例という優遇措置を受けるためには、事業用又は居住用でなければならないため、ただの空き地(更地)の場合には優遇措置は受けることができません。

メリットはこれら2つだけではありません。

メリット3: 年金の代わりに!

将来もらえる年金の額を予測するのは難しいですが、労働人口が減り続け、高齢者が増え続けるとなると、将来年金にも不安が出てきます。そんなときに対策の1つが不動産投資です。

不動産購入後に得られる家賃収入は老後の年金代わりになります。年金代わりになる不動産を購入することで、結果として相続税の節税ができるので一石二鳥ですよね。

メリット4: 生命保険代わりにも

日本は生命保険大好きな国です。生命保険の加入率は90%以上ですが、同じ効果を出すことができる投資不動産の保有者は多くありません。

なぜ、不動産が生命保険の代わりになるかというと、不動産購入時、ローンを組みます。この時、団体信用生命保険に加入することで、あなたに万が一のことがあってもローンは残らない仕組みとなります。生命保険の場合は、万が一のことがあれば遺族にお金が残りますが、不動産の場合は、ローンなしの不動産が遺族に残ります。どちらも、将来の安心に繋がるため、生命保険も、不動産の購入も同じ効果が得られます。

3: 不動産購入、「相続税対策+投資」として考える

不動産購入は相続対策のためだけに行うのではなく、利益を出す「投資」としても考えてみましょう。

不動産投資では、2つのパターンがあります。1つは、家賃収入を得るための投資(インカムゲイン: 資産を持つことで生まれる利益)。2つ目は、不動産を購入し、その不動産が値上がりしたタイミングで売却して利益を出す投資です(キャピタルゲイン: 資産を売買することで生まれる利益)。

儲かるのであれば、どちらでもパターンでも良いのですが、パターン2はなかなか難しく、失敗すると大きな損失がでる可能性もあります。そのため、まずは、パターン1の家賃収入を得るための投資がおすすめです。

(1) 投資用不動産はどんな物件がおすすめ?

不動産には、ワンルームや1LDKなど様々な間取りがあり、かつ新築、中古、低層、タワーマンションなどタイプが豊富なので、どんな物件を購入すればよいかわからない人も多いと思います。初心者であれば、中古のワンルームマンション投資がおすすめです。

中古のワンルームマンションであれば最初の投資額が少額で済む点が大きいです。また、都内の物件であれば、概ね1カ月もあれば換金することが可能です。以上2点から、他の不動産投資に比べて低リスクとなります。

「中古」をおすすめするのは次の通りです。新築物件に比べると中古物件は取得費が3割以上安くなります。中古物件は安く取得できるにも関わらず、新築と築浅の中古では、取得できる家賃はほとんど変わりません。この説明だけでもわかると思いますが、安く購入でき、取得できる家賃も新築と大差ないのであれば、中古物件の方が利回りがよいことを把握することができるでしょう。

そのため、最初に投資不動産を取得するのであれば利回りもよく、リスクも低い中古のワンルームマンションをおすすめします。

4: 不動産購入時、不動産管理会社はどう選ぶ?

不動産管理会社は、まず、土日祝日も営業している会社を選ぶべきでしょう。土日祝日に営業していない会社は不都合なことが多いです。もちろんそれだけでは決められないので、管理会社の担当者とアポを取る際に、「屋根裏を見たいので当日は脚立を持って来て欲しい」とお願いしてみてください。
その際に、『脚立の足にカバーを付けている場合』には信頼できる管理会社といえるのではないでしょうか。脚立の足にカバーをしなければ床に傷が付く可能性があります。
プロ意識の高い管理会社スタッフなら必ずカバーをするはずです。管理会社のプロ意識を見抜くためのポイントだと思って下さい。

5: 不動産投資のデメリット

(1)アパートの管理が面倒

アパートの管理には、手間がかかります。もちろん管理会社に頼めばある程度手間は軽減できますが、不動産の所得が生じるために、所得税の確定申告が必須となります。自分ですべてをやろうとすると相当な手間となりますが、税理士に任せれば手間も解消されるでしょう。

(2)修繕費が高額に?

建物が築10年程度までは良いのですが、それ以降経過すると修繕費が高額になります。家賃収入でまかなえる程度であれば良いのですが、入居者を集めるために大規模なリフォームが必要となると出費も高額となりかねません。

(3)空室が続く

借入をして不動産を購入した場合には、当然のことですが、空室が続くと借入の返済ができなくなるでしょう。空室リスクを加味してアパートを購入することが必要です。

6: 不動産の購入、見極めポイントは?

もし収益性の低い不動産であれば、絶対に購入しない方が良いでしょう。しかし、収益性が高いものであれば、購入をおすすめしたいケースが多いです。相続税の軽減にもなり、さらに将来の安定収益が確保されるためです。もちろん収益性が高いものかどうかの判断が非常に難しいので、税理士に相談の上購入を検討されるのがベストな選択でしょう。
不動産を利用した相続対策は確実に節税効果があります。一番の理想は、節税対策にもなり、かつ、将来の安定した収益を確保することでしょう。そのためにも税理士と相談の上、不動産を購入するか否かを検討する必要があるのではないでしょうか。