相続した空き家の放置はNG!売却は相続開始3年以内がベスト!空き家対策特別措置法と相続した空き家の譲渡所得控除の特例について

相続した空き家の放置はNG!売却は相続開始3年以内がベスト!空き家対策特別措置法と相続した空き家の譲渡所得控除の特例について

近年問題視されている空き家。空き家を減らすために政府は平成27年に空き家対策特別措置法を施行しました。そして、平成28年の税制改正では相続によって取得した空き家の売却に関する譲渡所得の特別控除の特例も施行されています。

相続によって、住む予定のない空き家を取得した場合3年以内に売却することで譲渡所得から3,000万円が控除される特例です。

今回は空き家が抱える問題点や、特別措置法、譲渡所得の特別控除などに関してご紹介したいと思います。

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1.空き家売却の特例の背景

被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例は、近年増加傾向にある空き家問題への対策として、平成28年度の税制改正時に新たに設けられた特例です。

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日本の空き家の数は年々増加しており、統計局の調べによると、平成5年には448万戸だった空き家がわずか20年で820万戸と倍近く増加しています。

空き家が増加する背景には、新設される居住用不動産の戸数に対し、滅失される居住用不動産の戸数が増加していないという点が挙げられます。

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個人で所有している不動産の場合、更地よりも家屋が建築されている土地の方が、固定資産税を抑えることが出来ます。その結果、お金をかけて建物を解体した上に固定資産税も高くなるくらいなら空き家のまま所有していた方が良いと考える人が増えることになりました。

また、相続によって取得した家屋などは、相続人の生家だった場合など想いのあるケースが多く、簡単に解体できないという心情も空き家が増加する要因の一つとなっています。

2.空き家が抱える問題点

とはいえ、空き家の増加がなぜ深刻な問題なのかピンとこないという方も多いと思います。

空き家の増加によって考えられる問題点は以下の通りです。

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誰も住んでいない状態の空き家は、劣化による倒壊の危険や害獣や害虫などの住処となり不衛生な状態になってしまうというリスクがあります。また、不法占拠や不法侵入、放火など犯罪に巻き込まれてしまうリスクもあります。

こうしたリスクは所有者だけではなく、近隣の方にも迷惑をかけることになってしまいます。

3.空き家対策特別措置法が施行

空き家問題の解決にむけ、平成27年5月より空き家対策特別措置法が完全施行されました。

この特別措置法は、市町村が対策をとるべき空き家を選別し、その所有者に対して空き家の管理等をお願いするなどの措置を行います。

さらに、「特定空家等」に該当する空き家に対しては、以下のような措置が取られることになります。

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(1)最終的には強制対処

特定空家等に該当する空き家の所有者に対して、解体や修繕などの助言もしくは指導が行われ、それでも改善が見込めない場合は勧告、勧告でも改善が見込めなければ命令、そして最終的には強制対処となり、猶予期限までに改善が完了していない場合には、市区町村が強制的に改善し、その費用は所有者に請求されます。

(2)固定資産税の特例対象外となる

特定空家等に該当する空き家と判断された場合、固定資産税の優遇措置の対象から外されることになるため、家屋が建築されている土地の固定資産税が最大4.2倍となります。

4.相続によって取得した空き家は早めの売却がポイント!

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空き家となる要因のなかで、相続もしくは遺贈によって取得した不動産が占める割合は高めの傾向にあります。色々な背景によって空き家となってしまうケースが多いですが、住む予定が無い場合には相続開始から3年を経過した年の12月31日までに売却することで、一定の要件を満たすと譲渡所得から3,000万円が控除される特例があります。

(1)特例の適用要件

特例の適用を受けるための要件は以下の通りです。

要件1:被相続人が1人で暮らしていた居住用不動産であること

空き家を減らすことが目的となる特例であることから、被相続人が生前1人で暮らしており、被相続人の死亡後は空き家となる不動産が対象となります。

要件2:相続から譲渡までの間も引き続き空き家であること

相続によって取得した不動産を売却するまでの間に、事業用や居住用として利用していたりしていないことが条件となります。

要件3:昭和56年5月31日以前に建築された家屋で区分所有建築物に該当しない不動産

対象となる家屋は建築が昭和56年5月31日以前という決まりがあります。また、耐震性のない家屋の場合には、耐震リフォームを行ってからの売却もしくは解体して更地にしてからの売却が対象となります。

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要件4:特例適用期間の要件

相続開始日から3年を経過する年の12月31日まで、かつ、平成28年4月1日から平成31年(2019年)の12月31日までに売却した不動産が対象となります。

要件5:売却する際の要件

特例の適用を受けるためには、売却する際の要件として以下の要件を満たしている必要があります。

1)売却の譲渡価格が1億円以下であること

2)現行の耐震基準に適合した家屋(家屋を含む敷地)を売却すること

3)親子や夫婦など特別な関係がある人に対しての売却ではないこと

(2)特例適用のための必要書類

特例の適用を受ける場合には、以下の書類を添付して確定申告を行う必要があります。

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家屋を取り壊して敷地を売却した場合には、「耐震基準適合証明書(又は建設住宅性能評価表)の写し」の添付は必要ありません。また、申請を行う地域によっては上記以外の書類が必要となる場合があります。あらかじめ申請を行う市区町村の税務課等にご確認ください。

5.相続によって取得した不動産を売却する際の注意点

被相続人が遺した遺産は、遺産分割協議を行い相続人のうち誰がどの遺産を相続するかを決める必要があります。(遺言がある場合は遺言に従います。)

遺産分割協議が終了するまでの間、遺産は相続人の共有財産となります。この段階で、不動産の売却を行う場合には、共有人全員の同意が必要となります。また、必要となる書類も大幅に増える可能性があります。

被相続人の遺産の中に不動産が含まれている場合には、後々面倒なことにならないように遺産分割協議をスムーズに進め、不動産を取得した方は速やかに相続登記を行い、不動産の名義を変更するようにしましょう。

まとめ

空き家を放置しておくと、近隣の方に迷惑がかかる可能性もあり、倒壊の恐れや犯罪のリスクが高まります。家屋のある敷地は固定資産税の優遇措置を受けることが出来ますが、家屋が特定空き家と判断されると固定資産税の優遇措置が解除されてしまうリスクもあります。

相続によって取得した空き家を利用する予定がない場合には、相続開始から3年を経過する年の12月31日までに売却しましょう。空き家の譲渡所得の特別控除は特例となり、平成31年(2019年)12月31日までの期間限定となります。売却を検討されている方は早めに手続きを行いましょう。