夫のお金を妻の口座に移したら?贈与税は課税されるの?名義預金を知っておこう!

夫のお金を妻の口座に移したら?贈与税は課税されるの?名義預金を知っておこう!



夫婦間で一つの口座でお金の管理をしているというケースはよくあると思います。

特に深く考えずに行っている行為ですが、贈与税や相続税の課税対象になるかもしれないと言われると、ちょっと不安になりますよね。

そこで、今回は名義預金がどのようなものかなど名義預金と贈与税・相続税の関係や注意点をご紹介したいと思います。

1.こんな名義預金は贈与税の対象になるの?

夫婦間では、一方の名義の口座でお金の管理をしているというケースも多いです。

通常、夫婦や親子であっても一定額以上の財産の無償移転があった場合、その贈与に対して贈与税が課税されることになります。

例えば、妻名義の口座に夫がお金を振り込んでいるという場合、振り込んでいるお金が年間110万円を超えると贈与税の対象となるのでしょうか?

(1)扶養義務者相互間での生活費や教育費は贈与にはならない

夫婦や親子など扶養義務が生じる関係性の場合、お互いの生活や教育などに必要な生活費などは贈与には該当せず、贈与税の課税対象とはなりません。

つまり、共働きなどで、夫の給与の一部を妻の口座に振り込み、その口座のお金を妻が生活費として使うような場合、一方の口座に振り込んでいる生活費は贈与には該当しないことになります。

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扶養義務者相互間が示す「扶養義務者」は配偶者と民法第877条の示す親族のことを示しています。

引用:民法第877条

直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養する義務がある。

2.家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養義務を負わせることができる。

3.前項の規定による審判があった後事業に変更が生じたときは、家庭裁判所は、その審判を取り消すことができる。

つまり、配偶者、血族に該当する直系尊属(父母、祖父母等)、直系卑属(子、孫)、兄弟姉妹は扶養義務者に該当することになります。

(2)生活費を上回る場合は贈与に該当することもある

基本的には、生活費や教育費に該当するお金は贈与の対象にはなりません。しかし、生活費として使い切らず余ったお金は、口座内にどんどん貯蓄されていきます。

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このような場合、そもそも贈与を目的として高額な生活費を渡しているのでは?と判断され、贈与税の対象になる可能性があります。

(3)夫婦で一緒に貯めている貯金用の口座

夫婦共通の貯金として貯めている場合には贈与税の対象とはなりません。しかし、贈与をすることを目的として一方の口座に振込を行っている場合には、贈与税の課税対象となります。

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2.夫婦間で名義預金となるケースはどんな時?

名義預金とは、口座の名義になっている人とその口座に預金している本来の所有者が違うというケースを言います。ご家族などの名義だけを借りている預金ということで「名義預金」と呼ばれます。

名義預金は通帳等の管理を誰が行っているかが重要なポイントです。

通帳・印鑑・キャッシュカードなどを名義人が所有しておらず、口座内の預金を自由に出し入れできない状態の場合には、名義預金と判断される可能性が高いです。

つまり、夫が自分のお金を妻の名義の口座に振り込んでいて、その妻名義の口座の通帳等の管理も夫が行っているという場合には、妻は、その口座のお金を自由に使うことはできませんので名義預金ということになります。

3.名義預金は贈与よりも相続が問題!

夫が妻名義の口座にお金を振り込んでおり、その口座の管理を夫が行っている「名義預金」は贈与よりも相続時に問題になることが多いです。名義預金は、通帳等の管理を行っている人が本来の所有者ということになります。

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従って、夫が妻名義の口座にお金を振り込んでいても、その口座の管理を夫が自分で行っていた場合、妻名義の口座のお金は夫のお金ということになります。

つまり、贈与の対象とはならず、夫が亡くなった際には相続財産ということになります。そして、もっとも注意すべき点は、妻が口座の管理をしているケースであっても相続財産に含まれる可能性があるという事です。

夫婦間の名義預金では、名義人が自分の名義の口座であることを理解しており、その口座の管理も名義人が行っていることは十分に考えられます。そのため、一見、名義預金に該当しないと思いがちですが、一番のポイントは「預金しているお金はだれが入れているか」という点になります。

つまり、夫が自分の収入から妻名義の口座に生活費の振込を行い、妻が生活費の残りを貯蓄していた場合、その口座のお金は夫の財産という扱いになるため、夫が亡くなった際には夫の相続財産と判断されます。

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特に一方が専業主婦(夫)の場合、このような状況が起こりやすいため注意が必要です。

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4.相続発生時に名義預金が見つかったら?

夫婦間以外でも名義預金にまつわる相続トラブルは多く発生します。

相続が発生すると、亡くなった方(被相続人)の財産の調査が必要となります。その際に、被相続人以外の方が名義となる通帳などが発見され、名義預金が判明するというケースは少なくありません。

名義預金は扱いが難しく、ご自身で判断できないという場合もあります。もし、被相続人以外の方が名義となっている通帳等が発見された場合には、相続に精通している税理士に相談しましょう。

まとめ

夫婦間であっても名義預金と判断されると、相続税の課税対象になる可能性は十分に考えられます。相続時に相続財産に含まれないようにするためには、あらかじめ贈与契約書を作成しておくなど夫婦間で贈与があったという証拠を残しておく必要があります。