孤独死の相続。疎遠な親族が孤独死を迎えたら・・・

孤独死の相続。疎遠な親族が孤独死を迎えたら・・・



少子高齢化、生涯未婚率の上昇などにより、一人暮らしの方がひっそりと自宅で亡くなる「孤独死」も増加傾向にあります。

東京23区の孤独死の推移は平成15年の1,441人から平成24年には2,727人と、約10年で倍近い件数に増加しています。

孤独死の背景は、未婚率の上昇、家族と疎遠になっている、近所付き合いが希薄、貧困など様々な要因があります。疎遠になっていた親族が亡くなり、突然、相続人であることを告げられるということも珍しくありません。そんな時に、何をすればよいのでしょうか?

今回は、孤独死によって亡くなった場合の相続についてご紹介したいと思います。

1.孤独死とは

孤独死とは、お一人で生活をされている方が、突発的な疾病や怪我などによって他者に気づかれずに亡くなってしまうことを言います。亡くなってから1週間以上経過していても他の人に発見されないというケースを孤独死と呼ぶことが多いようです。

法律的には孤独死という概念はなく、変死という扱いになります。ちなみに、ご自宅で一人で亡くなっているケースでも、自殺や他殺は孤独死には含まれないようです。

2.疎遠な親族の相続人になった時に行うこと

孤独死が理由となり、疎遠な親族の相続人になる場合は、警察からの連絡で知ることになります。それが、父母や兄弟姉妹であれば、まだ親族として相続人になることも仕方ないと思えると思いますが、場合によっては、おじやおばの相続人になる可能性もあります。

(1)おじやおばの相続人になるケース

法定相続人と呼ばれる相続人は、被相続人の配偶者、第一順位となる子、第二順位の父母、第三順位の兄弟姉妹となります。相続人は先順位から順に相続する権利を得ることになるため、第一順位がいる場合には、第二順位、第三順位は相続人とはなりません。これが原則です。

しかし、亡くなった被相続人が以下のケースに該当する場合には、甥や姪が相続人になる可能性があります。

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甥や姪が相続人となるというケースは、兄弟姉妹の代襲相続人に該当するケースです。このような場合には、まったく会ったこともない叔父や叔母の相続人となることがあります。

また、従兄弟や被相続人の叔父・叔母が相続人になることはあるの?という疑問を持たれるかたも多いと思いますが、法定相続人が誰もいないという場合であっても、被相続人が遺言を残しているケースや特別縁故者として認められるケース以外では従兄弟や被相続人の叔父・叔母が相続人になるということはありません。

(2)疎遠な親族の相続人になったら行うこと

孤独死により、疎遠な親族の相続人になってしまった場合、何から行えばよいのでしょうか?どのようなケースであっても、相続が発生した際に行う手続きに違いはありませんが、被相続人の生前の様子を全く知らない状況での相続では、以下の点に注意が必要です。

相続の手続きに関しては下記記事も併せてご確認ください。

相続財産の手続き・費用目安一覧&相続税の納め方

1週間で終了!相続手続きで必要な書類の集め方

遺言がない場合の相続手続きの流れを徹底解説

遺言がある場合の相続手続きの流れを徹底解説

注意1:本当に他に相続人はいない?

孤独死などのケースの場合には、基本的にはある程度の調査を終えてから連絡が来るはずなので、相続人として連絡をもらった方以外に相続人はいないことが多いですが、亡くなられた方が結婚はしていないけれど、子がいるという可能性も全くないとは言い切れません。

そのため、亡くなられた方の出生から死亡までの戸籍を集めて確認する必要があります。

また、相続人となったことを明確に証明するために、亡くなられた方の除籍謄本や、ご自身の戸籍謄本、他の相続人の出生から死亡までの戸籍なども準備しておく必要があります。

相続人についての詳細は下記をご確認ください。

相続人は誰になるのか?相続順位を徹底解説

注意2:相続財産を調査する

相続財産はプラスの財産となる現預貯金や有価証券、不動産だけではありません。マイナスの財産と呼ばれる借金などの負債も相続財産として引き継ぐ必要があります。

亡くなられた方のご自宅に足を運んで、必要な書類等を確認するなどの作業を行う必要があります。最近では遺品整理を行ってくれる業者などもありますが、遺品整理をすべて業者にまかせてしまうと、必要な書類も処分されてしまう可能性があります。

もし、遺品整理を業者に依頼する場合には、相続手続きを代行してくれる専門家と連携している業者を探すようにしましょう。また、相続財産を調査した結果、債務超過となるようなケースでは相続放棄も検討する必要があります。

相続放棄は相続人となった方がご自身が相続人となったことを知った日から3ヶ月以内に手続きを行う必要がありますので、早めに判断をしましょう。

注意3:被相続人の自宅の処分

亡くなられた被相続人が賃貸に入居されていた場合には、少しでも早く退去の手続きを行いましょう。遅れればそれだけ賃料等を支払うことになります。持ち家を持たれていた場合には、相続によって取得した被相続人の自宅をそのまま所有するのか売却するのかを検討する必要があります。

売却を行う場合、孤独死があったということはいわゆる事故物件という扱いになってしまいます。仲介を行う不動産業者にきちんとその旨を伝えて、売却の手続きを行いましょう。

3.相続人が誰もいない場合はどうなるの?

相続人が全くいない場合の遺産は国に帰属されることになります。すぐに国に帰属されるというわけではなく、以下の手順を踏んで、1年以上の期間を経て国に帰属されることになります。

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相続財産管理人は、債務者や受遺者、特別縁故者など利害関係のある人から申立てを行わない限り選任されることはありません。財産管理人の選任には費用がかかるためよほどのことがない限り、相続権のない人が財産管理人の申立を行うことは考えにくいと言えます。

4.万が一のために遺言を作ろう

ご両親もすでに他界し、兄弟姉妹もいない、特に相続人になる人はいないと予めわかっている場合には、遺言書を作成しておきましょう。

ご自身の財産をどのようにしてほしいかなどを記載しておくことはもちろんですが、葬儀費用などについても遺言に書き残しておくようにしましょう。ご自身が培ってきた財産なので、ご自身の意思がしっかりと反映されるようい準備しておくことは大切です。

まとめ

孤独死は決して他人ごとではありません。少子高齢化が進み、核家族が増えている現代では孤独死はとても身近な死のひとつと言えます。万が一の時を考えて、突然、相続人になる人が困らないような準備を行っておくことも大切です。

また、ご自身が突然、相続人になるということも考えられます。相続人になったときには、相続放棄も視野に入れ、早めに手続を進めていくようにしましょう。