相続税ってどうやって計算するの?4つのSTEPで相続税を計算しよう!

相続税ってどうやって計算するの?4つのSTEPで相続税を計算しよう!







相続によって取得した財産には相続税が課税されます。相続税は高い!という噂を聞いたことがあって、相続が始まる前から相続税が払えるか不安という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

また、平成27年の税制改正により相続税の基礎控除は大きく引き下げられました。

これにより、今まではごく一部の富裕層の方のみ対象となっていた相続税の申告・納付が多くの方に関係のある身近なことになっています。

相続税がどれくらいかかるのかという疑問が少しでも解決に繋がるように、相続税の計算の基本となる考え方を4つのSTEPで解説します。

1.前提条件を確認

相続税の計算を行う前に、相続税の前提条件を2つご紹介しておきます。

前提条件1:相続税の基礎控除

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相続税には基礎控除という控除があります。平成27年に改正された基礎控除は、現在3,000万円+(600万円×法定相続人の数)です。

この算出式で算出された金額よりも、課税対象となる遺産総額が低い場合には、相続税は課税されません。

ちなみに、法定相続人は被相続人の配偶者と血族を言います。

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配偶者は必ず法定相続人となり、血族は順位が決まっています。第一順位が子(代襲相続の孫)、第二順位が直系卑属 第三順位が兄弟姉妹(代襲相続の甥姪)となります。先順位から順に法定相続人となります。

前提条件2:相続税の債務控除

相続によって取得する財産は、現金や預貯金、不動産などプラスの資産だけではありません。

被相続人の負債等、マイナスの財産も相続財産となります。このプラスの財産からマイナスの財産を控除して、正味の遺産総額を算出します。

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これを相続税の債務控除と言います。ちなみに、被相続人の葬儀費用も債務控除の対象となりますので、葬儀の際に支払った費用は領収書等をもらっておくようにしてください。

2.4つのSTEPで相続税を計算してみましょう。

それでは、相続税を計算してみたいと思います。わかりやすく解説するために、例を用いてご説明します。

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STEP1:正味の遺産総額を算出する

正味の遺産総額とは、プラスの資産からマイナスの資産を控除する債務控除後の遺産総額を言います。

この例の場合、プラスの資産は、現預貯金・不動産・死亡保険金です。ここで、注意が必要なポイントは、不動産と死亡保険です。

注意1:不動産の特例の適用を受ける場合は特例適用後の評価額!

まず、例で表示されている不動産の価額は、相続税評価額です。時価とは異なりますのでご注意ください。

【相続税評価額とは】

相続税評価額は、相続によって取得した不動産の価値を表します。土地の相続税評価額は路線価方式もしくは倍率方式によって算出されます。

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建物の評価は固定資産税評価額×1.0となるため、固定資産税評価額がそのまま建物の相続税評価額となります。

路線価や倍率は国税庁のホームページより確認することが出来ます。国税庁HP「30財産評価基準書 路線価図・評価倍率表

路線価の見方に関しては下記記事も併せてご確認ください。

相続した土地の評価|路線価方式とは?

 

今回の例で、相続財産に含まれている不動産は自宅不動産です。

自宅不動産のように被相続人が居住用に使用していた不動産の場合、一定の要件をみたした場合には「小規模宅地等の特例」という特例の適用をうけることが可能です。被相続人が居住用に使用していた不動産は、小規模宅地等の特例の特定居住用宅地等に該当し、330㎡までを限度面積とし、評価額が80%減額となります。

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つまり、不動産4,000万円のうち土地3,000万円は小規模宅地等の特例の適用対象となり、3,000万円×(1-0.8)=600万円となります。

従って、今回の例の不動産価額は建物と合わせて1,600万円となります。

注意2:死亡保険金には非課税枠がある

被相続人が被保険者であり、かつ、保険料の負担者である保険契約の場合には、税法上のみなし相続遺贈財産となり、相続税の課税対象となりますが、非課税枠があります。

ただし、非課税枠を受けられるのは相続人に限られます。

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今回の例では、法定相続人は配偶者である妻と、長男、長女の計3人です。従って、死亡保険金の非課税枠は500万円×3人=1,500万円となります。

従って、受け取った3,000万円の保険金のうち、相続税の課税対象となる死亡保険金は、3,000万円-1,500万円=1,500万円となります。

上記の注意点を踏まえ、正味の遺産総額を算出すると・・・

【プラスの資産】計:8,100万円

現預貯金      :5,000万円

不動産(特例適用後):1,600万円

死亡保険金(課税対象分):1,500万円

【マイナスの資産】計:7,000万円

負債:500万円

葬儀費用:200万円

計700万円

正味の遺産総額:7,400万円

となります。

STEP2:正味の遺産総額から基礎控除を引いて課税遺産総額を算出する

正味の遺産総額が算出できたら、そこから基礎控除を差し引き、課税遺産総額を算出します。

基礎控除は最初にご説明したように3,000万円+600万円×法定相続人の数です。今回の例では、法定相続人は3人ですから、基礎控除は4,800万円となります。

正味の遺産総額から基礎控除引くと、2,600万円となります。この2,600万円が課税対象となる遺産総額です。

7,400万円-4,800万円=2,600万円

STEP3:法定相続分で分割してそれぞれの課税遺産額を算出する

法定相続分とは、民法によって定められた法定相続人の取り分の目安です。必ずこの通りに相続しなければならないという訳ではありません。

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今回の例では、妻と子が法定相続人となり、子は長男と長女の2人です。配偶者である妻の法定相続分は1/2、長男と長女の法定相続分はそれぞれ1/4づつとなります。

従って、

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配偶者である妻の課税遺産総額は1,300万円、長男、長女の課税遺産総額はそれぞれ、650万円となります。

STEP4:それぞれの課税遺産総額に税率をかけて相続税の総額を算出する

法定相続分で相続した場合の課税遺産額が算出されたら、速算表から税率と控除額を確認し、それぞれの相続税額を算出します。

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妻の課税遺産額は1,300万円となり、相続税率は15%、控除額は50万円です。子はそれぞれ650万円となり、相続税率は10%、控除額は0です。

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今回の相続では、相続税額の合計は275万円となります。

3.配偶者の税額軽減の適用を受けると配偶者の相続税は低くなる!

相続税には様々な税額控除があります。

配偶者の税額軽減(相続税の配偶者控除)も数ある控除のひとつです。この制度によって、配偶者の相続税の課税価格が1億6,000万円までもしくは、1億6,000万円を超えていても法定相続分までであれば、相続税が課税されません。

つまり、今回の例で妻の相続財産には相続税は課税されないということになります。

このように、相続税には税金を抑える事ができる控除があります。

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控除や特例の適用を受けるためには、必ず相続税の申告を行う必要があります。

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4.相続税の申告をしなくても良いケースとしなくてはならないケース

相続税の申告・納付は相続発生から10ヶ月以内に被相続人の住所地を管轄する税務署に申告・納付を行う必要があります。

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相続税が課税されないから申告をしなくても良いと思われている方がいらっしゃるかもしれませんが、相続税の申告が必要ない方は、遺産総額が基礎控除を下回る場合です。

先程も述べたように、特例や控除の適用をうけて「結果的に相続税が非課税」となった場合には、相続税の申告を必ず行う必要がありますので注意してください。

まとめ

今回は、相続税の計算方法を4つのSTEPで確認しました。

相続によって取得した財産は、遺言があれば遺言通り、遺言がない場合には相続人同士での話し合い(遺産分割協議)によって分割します。

今回の例では、法定相続分で分割したと仮定して相続税額の総額を算出しました。

実際の相続では、法定相続分通りの相続にならないこともあります。相続について困ったことや、申告などで困ったら、相続に強い税理士に相談しましょう。

申告期限に遅れないように早めの対策をおすすめします。

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