相続税の延納には利子税がかかる。延納と利子税を理解しよう!

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相続税は相続発生から10ヶ月以内に現金一括納付が原則となります。しかし、現金一括納付が困難な理由がある場合、特例として「延納」による納税が認められています。

延納によって相続税を分割納付すると利子税が発生します。今回は、相続税の延納と利子税についてご紹介します。

1.相続税の延納とは

相続税の納付には3つの方法があります。

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原則は現金一括納付ですが、現金一括納付が困難である場合には特例として延納という相続税を分割して収めることが出来ます。また、延納も難しいという場合には、例外として物納による納税が認められています。

(1)延納の要件

相続税を延納する場合には、以下の要件をすべて満たしている必要があります。

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上記の要件に、担保提供に関する記述がありますが、担保として認められる資産は下記の通りです。

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*納税額が100万円以下で延納期間が3年以下の場合には担保提供は必要ありません。

また、上記要件には「金銭で納付することが困難な金額の範囲内であること」という記述がありますが、これは相続した財産と相続人がもともと保有している財産を合わせた合計財産によって判断します。

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合計財産を算出した結果、それでも現金一括納付が困難という状況でないと延納は認められないため注意が必要です。

(2)延納のための手続き

延納の申請に必要な書類は以下の通りです。

  • 延納申請書
  • 金銭納付を困難とする理由書
  • 担保目録及び担保提供書

延納の申請期限は、相続税の申告期限となります。つまり、相続発生から10ヶ月以内です。この期限を過ぎてから申請は原則、出来ませんので注意してください。

延納の申請は、相続税の申告と同様に被相続人の住所地を管轄する税務署で行います。

2.延納期間に発生する利子税の仕組み

利子税とは、いわゆる利子(利息)です。延納は相続税を分割して支払うことになりますので、支払いの都度、利子税も収める必要があります。

(1)利子税はどれくらいかかる?

利子税は、相続財産の種類や相続財産の中で不動産が占める割合などによって利子税が異なります。また、延納できる期間に関しても同に定められています。

以下が利子税の延納期間と利子税の一覧です。

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ちなみに、延納特例基準割合が7.3%に満たない場合には、特例割合(延納利子税割合×延納特例基準割合÷7.3%によって算出された利子税の割合になります。

延納特例基準割合についての詳細は国税庁HPよりご確認ください。

国税庁HP

(2)利子税の計算方法

利子税の計算は下記の算出式を用いて計算します。

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延納によって毎年、相続税を収めていくため、もともと収めなければならない相続税額は減っていきます。そのため、利子額も減少していくことになります。

例)延納対象となる相続税額が4,000万円、利子税が3.0%の場合

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(3)延納の場合には、延滞税は課税される?

相続税の延滞税は、相続税の申告期限をすぎて申請を行った場合や、申告漏れ等によって本来納めるべき税額よりも少ない税額を収めていた場合など、遅れて納税を行う際に発生します。

延納は原則として相続税の申告期限内に申請を行う必要があり、延納によって分割で支払っているというケースでは、遅れて納税をするということには該当しないため、延滞税は発生しません。

3.延納の途中で物納にすることもできる

延納による納税の申請を行った方が、申請期限(相続税の申告期限)から10年以内であれば、延納から物納に変更することも可能です。

延納から物納に切り替えることを特定物納という言い方をします。

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延納から物納に切り替える特定物納は非常に稀なケースです。特定物納の場合、通常の物納と異なり、書類の提出期限の延長などが認められていません。

したがって、延納から物納に切り替えたいというケースでは専門家に相談してみることをおすすめします。

4.贈与税も延納が可能

相続税の延納と同様に、贈与税も特例として延納が認められています。相続税の延納と異なる点は、申請期限と要件の2つです。贈与税の延納も利子税が発生します。

(1)贈与税の延納の申請期限

贈与税の延納の申請期限は、贈与税の納税期限と同様です。

贈与税は、1月1日~12月31日までに受けた贈与を翌年の3月15日までに申告・納付を行う必要があります。贈与税の延納申請も、3月15日までに行う必要があります。

(2)贈与税の延納の要件

贈与税の延納は下記の要件をすべて満たしている必要があります。

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担保となる資産は相続税と同様です。また、延納の納税額が100万円未満で、延納期間が3年を下回る場合には、担保は不要です。

まとめ

相続税や贈与税の金銭一括納付が難しいという場合には、特例として延納という方法を選択することが可能です。

しかし、延納による納税を行うには一定の要件を満たしている必要があり、事前に申請を行う必要があります。また、延納による納税には別途利子税が課税されます。

相続税を期日までに金銭一括で納付できるように対策をとっておくことが必要です。