贈与によって財産をもらうと贈与税を納めなければいけない場合があります。その場合には、自ら作成した申告書を提出しなければいけません。もちろん、税金の申告書は税理士におまかせすればしっかり作成してくれますが、自分でも作成方法を知っておきたいという方もいらっしゃるでしょう。そんな方のために、今回は、贈与税の申告書の作成方法をご紹介します。
目次
1.贈与税の申告書を提出しなければいけない人

贈与税の申告書を提出しなければいけない人はどんな人でしょうか。贈与税には二種類あってその二種類では申告書を提出しなければならない人の要件が異なりますので、その贈与税の種類ごとに内容と申告書を提出しなければならない人の要件を紹介します。
(1) 暦年課税贈与

いわゆる一般的な贈与税で、財産をあげる人ともらう人の関係は問いません。こちらの贈与税の場合には、申告書を提出しなければいけない人には二つのパターンがあり、そのどちらかにでも当てはまる場合には申告書を提出しなければならないこととなります。その二つとは
「納めなければいけない贈与税額がある人」
「申告書を提出しなければいけない規定の適用を受けた人」です。
まず、贈与税額がある人は申告書を提出しなければいけません。また、税額が0であっても『贈与税の配偶者控除』や『住宅取得等資金の非課税』などといった規定の適用を受けるために、申告書の提出をしなければいけない規定の適用を受ける場合にも申告書を提出しなければいけません。
※申告書を提出しなければいけない規定の詳細は下記を参照ください。
1.不動産(住宅)の購入資金の生前贈与で1,500万円まで贈与税なし!?
※暦年贈与の詳細は、暦年贈与に絡む5つの論点とは?をご参照ください。
(2) 相続時精算課税贈与

2.贈与税の申告書はいつまでに提出しなければならないか

3.贈与税の申告書はどこに提出しなければならないか

4.贈与税の申告書の書き方
代表的なものの内容をご紹介します。

(1) 申告書第1表「贈与税の申告書」
(2) 申告書第1表の2「贈与税の申告書(住宅取得等資金の非課税の計算明細書)」
(3) 申告書第2表「贈与税の申告書(相続時精算課税の計算明細書)」
5.贈与税の申告書への添付書類

(1) 相続時精算課税の適用を受ける場合
① 財産をもらった人の戸籍謄本又は抄本 ② 財産をもらった人の戸籍の附票の写し ③ 財産をあげた人の住民票の写し ④ 財産をあげた人の戸籍の附票の写し |
(2) 贈与税の配偶者控除の適用を受ける場合
① 財産をもらった人の戸籍謄本又は抄本 ② 財産をもらった人の戸籍の附票の写し ③ 適用を受ける居住用不動産の登記事項証明書 ④ 財産をもらった人の住民票の写し |
(3) 住宅取得等資金の非課税の適用を受ける場合
① 財産をもらった人の戸籍謄本 ② 財産をもらった人の源泉徴収票など ③ 適用を受ける家屋についての工事の請負契約書や売買契約書の写し ④ 適用を受ける家屋についての登記事項証明書 ⑤ 財産をもらった人の住民票の写し |
6.贈与契約書について
贈与契約自体は契約書がなくてもお互いの意思が合えば有効となります。しかし、贈与契約書を残しておかないと親族間で揉め事になったり、贈与が認定されなくなったりということがあります。そうならないためにも、贈与契約書を残しておくことをお勧めします。贈与契約書は、「誰から誰へ」「何を」「いつ」といった内容を明記し、あげる人ともらう人の署名と押印を行います。公証役場(市役所)に行って「確定日付」を押してもらうとその契約はさらに確実なものとなります。贈与契約書の内容は、検索サイトなどで検索するとすぐにサンプルが見つかりますので参考してください。
まとめ
贈与税は、その計算が比較的簡単であることから申告書の作成はご自身で行うこともできるかもしれません。しかし、もらった財産が現金以外の財産の場合には、その財産の評価額がいくらなのかといった計算が必要になりますので、専門の税理士に依頼した方が確実に申告書の作成や提出ができると思います。